初心者による初心者のためのWiMAX入門

前回(WiMAX モニター募集&WiMAX以前に無線LANの基礎知識 - tsuchiwaraの日記)は無線LANの基礎の基礎について書きました。
見てもらえば分かるとおり、無線LANなんてそんなに難しいものではありません。
それらがわかれば、今回書くWiMAXについての概要も理解できると思います。


ただ、自分のメモ程度ですので間違いなどあるかもしれませんが、気にしないでください。


それでは本題に入ります。

WiMAXとは?

簡単に言えばWiMAXとは無線LANが進化した無線LANです。
(ここではモバイルWiMAXWiMAXを区別せず、それら全体をWiMAXとしています)
今までの無線LANWi-Fi)となにが違うかといったら、
まず一番にその電波の届く範囲です。
今の無線LANは半径100メートルくらいでしょうか。
そのため、主な用途は自宅LANとか、社内LANとか、飲食店内のLANなどで
狭い範囲でネットを使えるようにするという感じです。
WiMAXは何十Kmと言われており、
UQコミュニケーションズのHPを見ていただければわかるとおり、
東京23区、川崎市横浜市はほぼ網羅できてしまいます。
つまり、その範囲内であればどこでも同じようにネットが出来るということです。


それでいて、下り最大40Mbpsの通信速度を実現します。
同じようにどこでもネットができる定額制データ通信のイーモバイル
7.2Mbpsと比べれば、違いは一目瞭然です。


しかし、もっとも私が衝撃を受けたのはやっぱりその範囲の広さですね。
その範囲に住んでいれば、家でわざわざ契約して光回線などを用意する
必要がなくなってしまうんですから。


進化した無線LANといいましたが、WiMAX無線LANは規格が全く別物となっています。
それはどういうことかといいますと、今無線LANが使用できるPCだからといって、
そのままWiMAXを使用することが出来ないということです。
WiMAX専用のアダプタを別途購入することになります。
現在の価格は1万円と少しぐらいしますが、
今後必ず価格は下がるでしょうし、WiMAXアダプタ内蔵PCがこれから増えていくことになるでしょう。


サービス提供会社は?

現在、WiMAXのサービスを提供する会社はUQコミュニケーションズのみとなっています。
なぜ、こんなに少ないかというと、WiMAXは無線通信ですので、通信には電波を使用します。
その電波の周波数帯域はWiMAXは2.5GHzと決まっています。
その周波数帯域を使用できる会社はたったの2社までと決まっており、
それを獲得した会社がUQコミュニケーションズとウィルコムなのです。
ただウィルコムは次世代PHSというものに2.5GHz帯域を使用する考えです。
次世代PHSは似ているのですが、別ものですのでWiMAXのサービスを提供する会社は
UQコミュニケーションズのみということになります。
(次世代PHSの方が技術的にスゴイとか、ゴチャゴチャ話はありますが
今回はWiMAXに焦点を絞るということで省略)



さて、ウィルコムPHSで聞いたことがありますが、
UQコミュニケーションズという会社は全く聞いたことがないですよね?
それもそのはず、この会社はWiMAXのために新しく作られた会社です。
WiMAXを狙っていた会社は同じように電波を扱う携帯の会社です。
ドコモとかKDDIとかソフトバンクですね。
なぜ、それらの会社がWiMAXの周波数の使用権を獲得できなかったかというと、
1/3ルールというものが存在したからです。
1/3ルールとは総務省がモバイルWiMAXの周波数割り当てに際して、
既存の3G携帯電話事業者(およびグループ会社)が3分の1以上出資する会社には割り当てないというものです。
この1/3ルールのために、UQコミュニケーションズという会社が設立されました。
出資比率は

となっており、主にKDDIWiMAXサービスしたいために作った会社というわけですね。


ほかの携帯会社(ソフトバンクやドコモなど)も黙っていたわけでなく、
同じように関連会社を作り、前述した2.5GHz帯域の争奪戦が繰り広げられていました。
そして、最終的にKDDIが勝ち取ったということです。


UQコミュニケーションの社長のインタビュー曰く、
1/3ルールのおかげで、100%KDDIの会社ではなく、インテルやJRなどの出資も受けることができ、
多様なサービスを提供できるようになったと言っていました。


WiMAXの近い将来

UQコミュニケーションズは,WiMAXを使ったデータ通信サービス「UQ WiMAX」の試験サービスを
2009年2月26日に開始。7月1日からは本サービスに移行する予定です。
これが日本初のサービスとなります。


また、ニフティWiMAXMVNO方式でサービスを提供するようです。
ニフティ?あれ?WiMAXUQコミュニケーションズしか出来ないんじゃなかったっけ?
MVNO?なにそれ?となるのは、当然です。
MVNOとは何かというと、Mobile Virtual Network Operatorの略で、
携帯電話などの無線通信インフラを他社から借り受けてサービスを提供している事業者のこと。
つまり、WiMAXの無線2.5GHz帯を使用できるのはUQコミュニケーションズで、
その電波を発信する設備もUQコミュニケーションが管理します。
しかし、その設備を他の会社に貸し出すことが出来るんです。
UQコミュニケーションズが貸し出してるWiMAXの設備をniftyが借りて、
niftyWiMAXをやってちゃうぜ!ということです。
2.5GHz帯域争奪戦に破れた会社もMVNO方式で、サービスを提供するような動きも見られるようです。


MVNOとか、日本では全く聞きなれない言葉なんですが、
新規参入が楽とか、多種多様なサービスが生まれるとか、いいことがありそうです。




以上、簡単ではありますが、まとめて見ました。
個人的にはスゴイ魅力的なサービスなんですが。
もうすぐ試験サービスが開始されますので、
このWiMAXが生き残るか、はたまた淘汰されていくのか。
すべては使い勝手次第ですね。どんな結末が待っているのか楽しみです。